飯能駅・東飯能駅のダブルターミナル化提案
本提案は、筆者が提唱する統合地域戦略プロジェクト提案のひとつ「八高線の高規格化構想」の一環として位置づけられるものです。これは、八高線を関東西部の広域鉄道軸として再生し、東海道新幹線との接続を含めた新たな交通ネットワークを構築する構想です。プロジェクトの全体像につきましては、下記の別途資料をご参照ください。
そのうえで、今回は飯能市における具体的な施策として、飯能駅および東飯能駅のダブルターミナル化に関するご提案をさせていただきます。
特に東飯能駅は、八王子・高崎・池袋・秩父の4方向を結ぶ結節点として機能を強化するポテンシャルがあり、その改良は飯能市の経済構造と都市機能を根本から底上げする可能性を秘めています。
また、ダブルターミナル化が実現した場合、さらに新駅追加という大きなプロジェクトも実現に向けて動き出します。 西武線新駅構想についてはこちら
構想の具体内容
短絡線の整備
元加治〜東飯能駅間の短絡線用地を活用して新線を整備。
特急ラビューの運行変更
ラビュー「ちちぶ」号は飯能駅でのスイッチバックを避け、東飯能駅に直接停車。
ラビュー「武蔵」号は従来通り飯能駅止まり。
シャトル運行の導入
東飯能駅〜飯能駅間を10分間隔のシャトル運行とする。
ターミナル機能の強化
東飯能駅を高崎・八王子・池袋・秩父の4方向ターミナルとして再定義。
高尾駅と東飯能駅の比較
距離と立地の比較
駅の機能差
  • 高尾駅:特快停車駅、八王子以西の主要拠点
  • 東飯能駅:八高線 × 西武池袋線の交差点だが、活用不足
乗降人員の比較
  • 高尾駅:47,870人/日(JR東日本)
  • 飯能駅:26,414人/日(西武鉄道)
🚦 同距離でありながら、東飯能は乗換の不便さにより都市機能を十分に発揮できていない
東飯能駅の池袋直通化による効果
利便性と住環境の向上
  • 飯能駅での乗換・徒歩移動が不要に
  • 東飯能駅周辺がマイホーム候補地として再評価
都市機能の再構築
  • 高崎・八王子・秩父・池袋の4方向を結ぶターミナル化
  • 地域のブランド力と地価が上昇
🏙 「西武線の終点」から「多方向ネットワーク型拠点」へ → 東飯能の都市格を大きく押し上げるチャンス
経済効果の具体的算定
乗降客数増による年間支出効果
  • 東飯能駅の乗降客数が1日8,000人増加すると仮定。
  • 1人あたりの駅周辺支出額を300円と想定。
  • 年間で約8億7,600万円の消費誘発(=8億円と試算)。
再開発による地域経済波及効果
15億円
商業テナント整備
飲食・物販・医療など
12億円
建設投資
駅前整備・ロータリー等
10億円
住宅開発
分譲・賃貸マンション等
8億円
雇用創出効果
サービス業・交通・流通
5億円
税収・地価上昇効果
50億円
合計
年間で約58億円の経済波及効果が見込まれます
飯能市の税収増加効果(概算)
新たな商業施設や住宅開発に伴い、固定資産税および法人市民税・事業所税の増収が見込まれます。
58%
固定資産税
評価額50億円 × 税率1.4%:約0.7億円/年
42%
法人市民税・事業所税等
新規施設による:約0.5億円/年
約1.2億円/年の税収増加効果が見込まれます
短絡線の整備費用(概算)
1
整備距離
元加治〜東飯能間の短絡線整備に要する距離は約1.5km。
2
工事単価
地上鉄道として整備した場合の工事単価は約15億円/km。
3
用地費
用地はすでに取得済みのため、用地費ゼロ。
4
総工費
総工費はわずか約22.5億円と試算され、58億円の経済効果と比較して極めて費用対効果の高い投資です。
推進に向けたお願い
飯能市として以下の取り組みをぜひご検討いただければ幸いです。
現況調査
短絡線用地の現況調査と整備可能性の検証
事業化検討会
西武鉄道およびJR東日本との事業化検討会の設置
再開発構想
東飯能駅周辺の再開発基本構想の立案
本件は、飯能市の都市機能を広域ハブへと飛躍させ、次世代の都市間競争力を決定づける施策となる可能性を持っています。